◆世界の異なる感触
私たちは普段、目の前に広がっている世界を「それ自体として」確かに実在しているものと思い込んでいる。
意識の外にあるものを見たり、聞いたり、触ったり・・・・そのような様々な感覚を通して得られた情報が、脳で処理されて、私たちの意識に浮かび上がってくる。そして「確かに○○だ!」という確信に至ると信じている。だから、意識の外に「客観的世界」があることを微塵も疑わない。
ところが一方で、世界とは、「私にとって」意味と価値を備えたものとして、現れてくるもののことである、とも信じている。
たとえば、出窓に置かれた金魚たちは、私にとって心癒してくれる可愛らしいペットである。また、本棚に並べられた数々の専門書は、仕事に関わる知識や技術を学ぶための大切な道具でもある・・・・。このように、「可愛らしいペット」「大切な本」と意味を付与された様々なものや事柄によって、私たちは独自の世界を作り出していく。それは、もしかしたら自分の死とともに消えてしまう世界でもあり、そんな意味の世界、つまり「主観的な世界」の中を私たちは生きているのである。
この二つの世界はともに私たちの生の中にあって、共にそれなりのリアリティを持っている。しかし、決して矛盾したりすることなく、何らかの仕方で繋がっているのである。
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